今月最後になるだろう余裕のあった土曜日。8日に、ザルツブルクに程近い Berchtesgaden にアジア人3人、日帰りで出掛ける。ミュンヘンからはローカル線で三時間、ICを使えば速いけど、のんびり鈍行に揺られるのも悪くない。雨が降ったり止んだりだったとはいえ時々太陽も顔を出し、Königssee、その名も「王様の湖」(写真下)は予想を超える美しさだった。
天気がまあまあだったのと、W杯の三位決定戦、ドイツvsポルトガルが夜にあったからか、比較的人も少なく、まさに宝石箱をひっくり返したかのような風景を、自然を堪能できた。近くにヒトラーが別荘を建てたくなったのも分かる気がした。あるのは飛びっきりの自然だけ、ただ日常を忘れてのんびりするには最高、世界中探してもここに匹敵する場所は数えるほどだろう。
多くの人が湖の中ほどにある有名な教会を見て、近くのレストランで湖でとれる名物?の鱒を食べるだけで帰ってしまうのは、ありがたいがもったいない。さらに奥にある別の小さな湖、Obersee(写真下)はケーニヒス湖とは趣を異にするが、これがまた何とも素晴らしい。
どちらの湖も水が澄んでいて深さによって色が変わる。底の見える浅瀬から、エメラルドグリーンを経て深い緑へ…、そして湖面は周り連なるバッツマン山群の雄大な姿を静かに、見事に映し出す。筆舌に尽くしがたいとはこういう時に使うべき言葉なんだと思った。
観光客の増える時期は、この自然に囲まれて放牧されてる牛相手に歌を歌ってみたり、ベンチに寝転がりながら思いに耽るなんてアルプスの少女的なことはなかなか難しいかもしれないが、思わず「地球に乾杯!」と叫びたくなる。ぜひともまた機会を見つけて行きたいもんだ。