「周りの親切を当然と思うな!」
人は多かれ少なかれ、周りの助けなしには生きて行けない。特に身障者の場合は、日常の様々な場面で周りの人に助けてもらうことが非常に多い。ごくごく小さなことだけれど、ドアを開けてもらったり、代わりに物を運んでもらったり、席を譲ってもらったり、その他色々と気をつかってもらう。そういった他人の親切に甘えることは悪いことではないし、せっかく親切心で気遣ってくれているわけだから、むしろある程度は甘えるべきだと思う。
ただ環境というのは怖いもの。いつもいつも親切な人たちに囲まれていると、そういった周りの気配りがだんだんと当たり前になってくる。自分は身障者なんだから、周りが色々気を遣ってくれるのが当然、物を運んでもらうのも、席を譲ってもらうのも…。時折そういった人を見かけるけれど、決してそうなってはいけないと思う。まわりが気遣い上手になって、またそれが自然なこととして認識されるのはいいことだろう、でも気を遣ってもらう側はその都度、細かい感謝の気持ちを忘れてはならない。
そう自分に言い聞かせて心に留めておくと、それまで認識できなかった周りのちょっとした心遣いに気が付いたりして、普段隠れている相手の心がふと見えたりすることもある。